仮想通貨の一つであるビットコインが世に出て、世界のあちらこちらで実際の取引が普及されてきているようで,利用者も年々歳々増加の傾向を辿ってているようですす。このような状況になってきますと、ブロックチェーンのシステムとしてはちょっとややこしい問題が浮上してきます。それはブロックチェーンに取り込むブロックサイズに関する問題が顕著になってきます。一番インパクトを受けるであろうビットコインの送金について考えてみましょう。
あちらこちらで送金の要望が発生しますと、ほぼ10分単位にブロックとして取引データがまとめられます。そして、そのブロックが承認を受けて始めて送金というプロセスを辿って送金が完了するということになります。
承認を受けたブロックは既に過去に承認を受けたブロックと繋がってチェーンを形成します。ブロックチェーンの世界はPeer to Peerというシステムを構成してそのシステム内でブロックチェーンといくつも創成していく形態をとっていきます。ということは、チェーンを形成するブロックのサイズが俄に問題を帯びてきます。ブロック内に収納されるデータの大きさに1MBという制限があります。1MBは1,000KBですので、2017年3月時点でのブロックサイズの平均は960KB に達しています。現在も送金件数は増加の傾向にある中で1MBという上限をオーバーするとどうなるかをみていきましょう。オーバーは現実味を帯びてきています。ここでポイントになるのは送金手数料の問題が出てくるということです。つまり、送金手数料の安い送金要求は、いつまで経っても送金されないという問題がでてきます。送金待ちが蓄積されてきますと、想定外のエラーが発生してしまいます。厄介な問題になってきます。
既に送金待ちは10万件を超える事態も発生しています。一回の送金にかかる送金手数料は概ね3,000円から4,000円かかってきます。ビットコインの送金に関する能力は秒3件程度ですので、10万件の送金が完了するのに必要な時間は9時間以上となると予想されます。この予想時間は新たに送金待ちがないと仮定した場合の予想時間です。どうしても速く送金したい場合は送金手数料をより多く支払って送金を希望するしかありません。これはビットコインに本来の趣旨である「安く速く送金する」ことから離脱してしまいます。
では、ブロックサイズを1MBからさらに大きくするか、或いは送金に要するデータ量を小さくして、かつ、ブロックチェーンという枠の外で送金する方法を考えるのではないでしょうか。ところが、これも容易にはできない事情が出てきます。ブロックチェーンの世界には分散型でフラットであるため、中央管理者がいないという問題が大きく浮かび上がってきます。今後はこの問題をどう解決していくかが見ものとなるに違いないです。ハードフォーク、ライトニングネットワークというテクノロジーに注視することが肝要になってきます。既に、ハードフォークにsegwitファンクションを搭載させて、ブロックチェーンに取り込まずにビットコインの送金が具現化しました。
このような方法であれば、1MB上限問題の緩和には機能しました。segwitを搭載したネットワークがライトニングネットワークといわれています。今後はこのライトニングネットワークがさらに一般化されていくことで、ブロックサイズ問題の解決の糸口になるかもしれません。
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