今までの金融庁は仮想通貨を「モノ」として捉えていましたが、2015年2月になって始めて仮想通貨を「貨幣の機能」を有しているという捉え方を示しました。つまり、仮想通貨に関する規制案を世に示しました。
★仮想通貨は国や中央銀行によって管理している貨幣ではない
★ネットワーク上におけるデータとしての位置づけ
★貨幣の代わるものとして機能する
この宣言は仮想通貨は物品購入等に利用できる交換媒体という機能、法定通貨との交換を可能とする機能を認めました。即ち、貨幣の3大機能を認めたことになります。
★価値の尺度
★価値の保存
★交換の手段
金融庁が仮想通貨を認めたことで、これからますますネットワーク上での決済に関する取引が急速に広がっていくと容易に予想できます。また、利用者を保護する対策等を強化していくことにもなりそうです。仮想通貨の取引所を登録制にして外部監査機能を義務化したりして保護策の強化に乗り出しています。ということはIT技術と金融を融合化させたフィンテックによるイノベーションが加速していくと考えられます。フィンテックのベースにあるものはスマホを核としたモバイルペイメント、ID決済等がさらに進化していくと考えられます。その上IT技術が今後はビッグデータ、AIなどの面でも深化が進み、決済、海外送金、資産管理、投資等の方面に革命をもたらし、私達の生活環境に大幅な変革を起こすであろうと思われます。金融庁が認めたことで、メガバンクも仮想通貨及びブロックチェーンに対して様々な金融サービスを創成し始めました。三菱UFJ銀行が銀行独自の仮想通貨を2016年2月に開発していることを発表してコストの削減に期待を表明したところです。これはフィンテックがなせる技法であり、金融サービスでもあります。
金融庁はさらに保護強化策に一環として仮想通貨交換に対する新規に登録ポリシーを明確にさせました。重点項目として資産における分別管理体制面、株主と経営との分離等の5項目を打ち出して運営体制への現場乗入による事前調査等を行なうことを明言しています。コインチェックで起きた巨額の仮想通貨の流出事件が調査に拍車を掛けています。運営体制がきちんと整備できない業者に対しては躊躇なく撤退を促しています。今までの目線ではなく、新たな目線を導入して徹底化を図ろうとしています。
たとえば、仮想通貨を保管する場合は、必ずインターネットに接続した状態による保管は禁止することにしました。或いは極めて匿名性が高く資金洗浄、つまりマネーロンダリングに利用されやすい仮想通貨に対しては原則として認可しない方策を打ち出しています。
金融庁は官民を挙げて「一から見直していく」という危機感を顕にしています!
法改正にも積極的に動いている模様です。例えば、みなし業者に対する営業期間の制限、外国為替証拠金取引(FX)等における取引の上限規制を設定したりする動きが活発化しているようです。仮想通貨、ブロックチェーン、ICOのようなフィンテックジャンルがますます発展していくこととは別に、リスクについてもますます増大していく見られています。また、未来に対する投資の戦略の一環として、IoT、ビッグデータ、AI、シェアリングエコノミー、フィンテック等にも金融庁は着目しています。
今のところ、仮想通貨は使われる主たる目的に投機があります。この投機目的が実に曲者です。税処理や申告に向けられているということです。税制の整備が急がれている模様です。ここに来て、国税庁も動き始めている模様です。目を離せません。特にICOに関しては、「日本に対する信頼が喪失している」という気運が高まっていて、現にジャパン・パッシングが起きている模様です。
世界規模で4500億円の投資が行われ、巨額なリスクマネーが凄いスピードで集まる事態に注目が集まっています。日本は先駆的な法令は作るものの、縛りが強く動きが超鈍いということで、手を出しにくい市場とみなされているようです。
規制すべきか放任すべきかで悩む金融庁
これは裏を返すと、新しい価値に金融庁はどう向かおうとしているかを如実に表しています。激動の未来、本当に目が離せません。 決済手段のみならず、投機商品として連日連夜値が激しく動いています。
結局のところ、静観するしかないのか・・・? 新しい技術を前に慎重にならざるを得ないか・・・?
結局のところ、金融庁としては仮想通貨については走りながら耐えず考えて行こうとしているのでないでしょうか。
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